バイリンガル、バイカルチュラルという言葉が学院内ではスローガンのように頻繁に使われますが、個人的な意見として、その教育理念を達成するためのカリュキュラムは残念ながら、まだまだ理想からほど遠いと考えています。
大きな問題として、日本から派遣されてきた教師陣が、そもそもバイリンガルでもバイカルチュラルでもないので、アメリカ文化を教えることが満足に出来ていません。
実際、赴任される教師陣も「自分にバイリンガル・バイカルチュラルを教えられるのだろうか?」と悩まれることが多いとも聞いたことがあります。
過去にあった例として、慶應ニューヨーク校の文化祭で、「Club Mary Jane(クラブメリージェーン)」という飲食店?の出し物がありました。なんだかお洒落そうな店名ではありますが、
Mary Jane とは大麻の隠語 です。
文化祭の出し物については、学校が不適切な内容がないかをチェックしているはずです。しかし、そのチェック機能は、アメリカで使われる隠語まではカバーすることが出来ないことを皮肉にも証明してしまったのです orz
ずぅーと昔からですが、
多くの生徒は、「バイリンガル・バイカルチュラルって言うけど、アメリカと日本の悪い言葉や文化ばかりが、バイカルチュラルだよね」と学校を皮肉る発言をしたことがあります。
文化祭の事件を受けて、学校の非常勤の先生までが「バイカルチュラルってアメリカと日本の悪い文化のことなのか」と授業中に皮肉っていたのが、私は今でも強烈に覚えています。先生がこういった発言をされると、学校の事務所トーク(職員室トーク)でも、似たような会話がされているのではないかと、邪推してしまいます。
アメリカの文化、日本の文化に触れるようなイベントはありますが、それは学問というよりも自由参加なレクリエーションのような存在に感じました。
シアターデーのような、全員参加のものもあるにはありますが、基本英語が分からないと、劇場で寝て終わりです。
部活(スポーツ)もアメリカ人のアスリートの気持ちを知る機会はないし、美術部の活動で、アメリカ人の作品の作り手と交流するような活動はなかったです。
学校がアメリカにあることで、景観や移動手段、顧問やコーチがアメリカ仕様ではあるので、そこから学べることはたしかにありますが、現地の同じ年代の、同じような目標を持っている人と交流するようなアクティビティーは、少なすぎます。
私が言いたいのは、アメリカの隠語まで授業で教えろと言っている訳ではありませんし、全教師をバイリンガル・バイカルチュラル仕様にしろと言っている訳でもありません。
私が言いたいのは、バイリンガル・バイカルチュラルをスローガンにしながら、実態・実績が追い付いていないように見えてならないということです。
しかし、安心してください!これは、私が在籍していた当時の話です。まだ学校の歴史が浅く、カリュキュラムがまだ成熟していなかったのが原因だったのかもしれません。私が卒業して10年以上が経過しているんですから、さずがに学校も進化しているはずです。
実際に学校は対策として、英語教育と文化交流の対策として、8億円程の予算を投じて、Student Center(仮称) というものを建造しているらしいです。Student Center(仮称) は文化交流イベント、現地校との交流、その他の活動のスペースとして活用されるのです!!!
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私はこの話を知って、思ったことは2つ。
1つは、
なるほど、バイリンガル・バイカルチュラルの教育理念を実現させるために、今のままではダメだという問題意識はちゃんと持っていたんだな。感心、感心。
もう1つは、
具体的な交流内容などについて、情報が十分にリリースされていない。ハコ物を建設することで、教育理念が実現できると思っているような、おめでたい頭の人がいるのではないか?
です。
生徒数が減り、空き教室があるはずなのに、新しい建物を作ることがどれだけ文化交流に寄与するのかが分からないです。足りないのは、建物ではなく、より良いシステムであるように感じてなりません。
このブログを始めたのも、ネット上のニューヨーク校の、ありもしないようなエピソードを好き勝手に書かれている現状を是正することが目的となります。良い点・悪い点どちらも書くことで、信憑性を高めることを意識して、記事を書かせていただいています。
そのため、もしこのブログを読んでいる関係者様がいらっしゃいましたら、教育理念の実現のために、何かの貢献になれば幸いです。逆に妨げになるようでしたら、それをバネにしてより良い学校作りをお願いいたします。
今回の記事は長くなりましたので、前編・後編で分けています。私は慶應ニューヨーク学院の教育理念は体現可能だと強く信じています。後編では、慶應ニューヨーク学院で、バイリンガル・バイカルチュラルになる方法について記事にする予定です。